第6章 時透無一郎
「わっ、ちょっと!やめてよ!」
無一郎が手を離したころには髪の毛はボサボサになっており、くくっていたポニーテールはぐちゃぐちゃになってしまっていた。
その様子をみた無一郎はクスクスと笑う。
「にしても暑いね」
無一郎はそういうと体操服の裾をまくりあげて、額の汗を拭った。
ーえ?!なにこれ?!
まくりあげられた体操服の下には鍛え抜かれた筋肉が輝きを放っている。
まず、胸筋は程よく膨らんでおり、腹筋はちゃんとシックスパックを形作っている。
余分な脂肪はしの字もなくて、張り詰めた形の完璧な腹筋が並んでいた。
私はしばらく腹筋を凝視してしまっていたら、無一郎は拭うのをとめて、体操服から手を離す。