第6章 時透無一郎
その後、無一郎と相手チームは一進一退の攻防を続けていた。
相手チームはバスケ部が多く、無一郎のドリブルにも耐性がついてきて、だんだん動きについていっていた。
無一郎チームもなんとか粘っているが、やはりバスケ部には敵わない。
「試合終了ー!!」
ホイッスルがなり、試合が終わると、無一郎チームは2点差で負けてしまった。
「お疲れさま!」
私は無一郎に駆け寄り、水を渡した。
無一郎はそれを受け取ると一気に飲み干す。
「すごかったね、無一郎!カッコよかったよ〜」
「沙織が応援してくれたからかな、結局負けたけど…」
「私はこれ以上、無一郎のかっこいいとこみんなに見られなくて済むから安心かな」
「…なに?嫉妬?」
無一郎は私の頭をわしゃわしゃと撫でる。