第6章 時透無一郎
無一郎もこっちを向いて目を丸くしているが、フッと目を細めて笑った。
「ありがとう」
口パクで無一郎がそういうと、キョトンとしている相手からボールを奪って、ゴールに向かってドリブルしていった。
「させるかよ!」
敵が無一郎の後ろから手を伸ばし、前方に敵が迫ってくる。
それを無一郎は身を軽々と翻し、後ろからのディフェンスを交わして、前方のディフェンスの股の間にボールを通した。
「色々ガラ空きなんだよ、君らは」
ダァン!!
派手な音とともに無一郎はダンクを決めていた。
「はわわ…きゃっこいい…」
「沙織、鼻血出てる」
ー顔もいいし、かっこいいし、運動もできるし…前世は神かな?