第1章 美術教師 宇髄天元
私とカナヲは呻き声を聞きつけて顔を見合わせた。
「ちょ、お前揺れんなよ」
宇髄先生がそう言って、足元を見ると
「ぜ、善逸くん?!」
善逸くんが四つん這いの姿勢で宇髄先生のイスになっていた。
「あ、だずげでよぉぉ沙織ちゃん〜〜おれ、なんもじでないのにぃ〜〜」
「鍛えれんだからいいだろ!」
「いや、先生…かわいそうですよ…」
善逸くんは鼻水が床に垂れそうだし、涙で顔ぐちゃぐちゃだし、流石に哀れに思えてきた。
「ちっ、しゃーねーな、もういいぞ我妻」
宇髄先生がおしりをあげると、善逸くんは水を得た魚のように立ち上がって私の足にしがみついた。
「ああああありがとうねぇ!!」
「いいよいいよ!」