第5章 体育教師 冨岡義勇
「冨岡…先生…大丈夫ですから、あの…」
「(大丈夫ではない。心配だから俺に任せてくれて)かまわん」
冨岡先生は私の言葉に耳をかすこともなく、ずんずんと保健室に進んでいく。
ーいや、そうでもあるんだけどさ、女子からの視線が怖いのよ!!
冨岡先生は言うまでもなく、クールな見た目で顔も整ってるからめちゃくちゃモテる。
だからトミセンファンクラブとかもあるし、バレンタインもファンクラブの幹部メンバーに届けを出さないとチョコを渡せない事態なのだ。
そんな冨岡先生に抱えられている私を平気で見過ごす訳が無い。
女子はさっきまでゾンビの形相だったのに、今は般若だ。
「珠世先生、失礼する」
保健室のドアを開けると、保健室の女神と呼ばれている珠世先生がいた。