第2章 火種は飛火するもの
「えー、そーゆー気遣いいらないんだけどー…まあ私が勝っちゃうから問題ないかー」
蘭花はそう呟くと、一瞬で沖田の目の前まで迫った。
右手に持っていた傘を振り下ろす。
ガキィィィィン…!
沖田はそれを刀で受け止めると、距離をとろうとした。
しかし、蘭花はそれを許さず、沖田の右足を払った。
「…っ…!」
体制を崩した沖田の脇腹に向かって、蘭花は傘を振り下ろした。
沖田それを布一枚でかわすと、蘭花の首の横にピタリと刀を突きつけた。
しかし蘭花も同じように、沖田の顔に傘の先を突きつけていた。