第1章 *テニプリ*仁王雅治*
「明日は先輩の部活姿、見学しててもいいですか?」
もちろん、いつもの部室から絵を描きながら。
「はは、じゃあ明日は俺も本気出してやらないとね。見られてると思うと意識してサーブ失敗したりしてね」
そう冗談を言いながら笑っていた。
最初は怖いのと緊張とでグダグダだった私も、いつしか打ち解けて自然と話せるようになっていた。
幸村先輩は優しくて話しやすくて素敵な先輩だ。
美術が好きらしくて、以前まではたまに美術部の部室に顔を出していたそうだ。
斎藤先生が言っていた通り。
今度絵を見せてね。と言われ、少し恥ずかしい気持ちもあったが快く承諾する。
そんな楽しい時間はあっという間に終わってしまい、私は先輩と別れ1人帰路へとついた。
そこである感情を覚える。
私、幸村先輩が好きかもしれない。