第2章 .金木犀と沈丁花
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『ほへ~これはまた可愛い船首だこと』
足を止めたせいで前を歩くふたりと距離が出来てしまった。
理由なら目の前にある船のせいだ。可愛らしいライオンの頭をした船首がの目を引いたのだ。
そんな船を見て目を閉じれば大きな白鯨の顔が鮮明に浮かび上がる。目の前の船は白鯨と比べてしまえばとても小さく見える。
だけど太陽のような暖かさと、獅子のような強さをは感じ取っていた。
の知る海賊船はどちらも可愛げのある顔をしているせいか、これが普通なのかと思えてしまいそうだ。
ナミ「あ、ルフィー!!」
ナミさんが船内にいる誰かに手を振った。
そしてそのまま駆けて行ってしまった。
きっと私のことを説明してくれてるんだと思いたい、忘れられてない、大丈夫...ロビンさんも隣にいるんだから!
ロビン「ふふっナミったら一目散ね。
大丈夫よ、私は貴女のことを忘れていないから」
きっと安く買い物ができたことが嬉しくて誰かに話したいんだろう、とこちらを見てにっこり笑うロビンさんに苦笑いしか返せなかったのは言わずもがな。
ナミさんに忘れられていたことは普通にショックを受けた。だって荷物持ちまでやってるのに...。
溜息をひとつ零しながらも手にある紙袋を持ち直し、ロビンさんの後に着いて船へと運んだ。
この後からナミさんにすっごく謝られた。
とてもあざとい謝り方で...
可愛いから許しますけど!!
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