第3章 .華と華の混沌
ルフィ「ええ?!お前次の島で降りんのかー!!!!!!」
耳を劈くような大きい声が大海原に響き渡る。何を言おう。言わずもがな。それはこの船の頭であるこの男だ。
あまりにも唐突だったからの告白に、船員一同驚きを隠せない模様。
ナミ「えっ、だって!つい最近あの島から出たばかりじゃない?!」
確かにあの島を出たのはつい最近。といっても、もう3週間ほど前だ。
ウソップ「そーだぜ!まだ俺の勇敢なる旅の数々を話し終えてねぇーぞ!?」
ウソップの武勇伝など沢山聞いた。耳にタコが出来るほど。後からみんなに聞いた話、それのほとんどが嘘だと知ったが、どれも面白いものであった。
チョッパー「なんでッ……どうしてぇえ」
泣き崩れてしまったチョッパー。ごめんね。
あの記事を見なければ、こうも直ぐに行動に出ることは無かったと思う。
フランキー「にしても、どうして急にそんなこと思い立ったんだ?」
船上に集まったみんなを見渡せば、ひとりだけ微笑む者がいた。きっと今回の件について、最初に気がついた人になるだろう。なんせ、この話はその人から聞いたのだから。
『ロビンなら、答えを知ってるよ』
その言葉に本人を除いた船員が、ロビンを見た。色々な視線が集まる中、それを臆せず、笑みだけでいるロビンはまさに大人の女性だった。
ルフィ「ロビン」
ロビン「………」
ルフィの呼び声にロビンはひとつ瞬きすると、持っていた新聞のある1ページを開き、皆にみせた。
ロビン「次の島に、彼も来るから……でしょ?」
また、笑みを零した。
だがその笑みは優しい微笑みなどではなく、ニヤリとした不敵な笑み。
きっと、全てを理解しているのだろう。
『そう。うちはその男に用があるからね』
ビシッと新聞に写ったある写真を指刺せば、周りのものはそれぞれの反応を示した。ただひとり、船長だけは嬉しそうな反応をしている。
ルフィ「………シャンクスッ!!」