第2章 .金木犀と沈丁花
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時はほんの少し遡ること2時間前。
おば様に緊急地区会議のことを伝えれば「えっ午後に?!うっそ~今から新しい着物を作るところだったのにぃ...」とぶつくさ言いながら地区会議の支度をして、時間になったら出ていった。
仕方なくおば様のしようとしていた裁縫道具を元の場所に戻していると店のベルがなった。
『はーい!いらっしゃいませ!』
店内に戻ると入口には先程入ってきたと思われるお客がいた。その見た目は海賊そのもので、一言で言うなればミドリムシ。
え?なんで微生物って?この人全身緑ばっかなんだもん、だから緑って言ったらミドリムシでしょ!
とりあえず海賊でもなんでもお客はお客"様"だから、しっかり対応しないと!
『いらっしゃいませ、どんな着物をお求めでしょうか?』
近くに行ってかければ、商品を見ていた目だけを動かしてこちらを見た。
『見た感じ緑色がお好きそうに思えたので、最近仕立て上がったばかりの緑色の着物がございますが......見てみますか?』
どうだ、服屋の店員らしい話し方は出来ているだろう!これもまた自分のスキルアップに繋がるな!
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