第2章 .金木犀と沈丁花
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足を進めた先に見えた高台と、その周りを囲む家々。
どうやらこの島はリーシャ島よりも少し発展した都会らしい。
まずは服と必需品を買いに行きたいけど、生憎今は何も持っていない。海に落とされてしまったためポケットに入れていた少量の金貨すら跡形も無い。
そうなると自然と結果は見えてくるもので。
『この髪留め、いくらの値が付くかな』
それは親父の船に乗って初めての誕生日にナースのカナさんから貰ったもの。煌びやかな宝石が細工が施された見た目は高価な物、実際の値はいくらなのか聞くのも恐ろしい。
まさかこんなところでカナさんに感謝する日が来るとは......ありがとうございます。日々心の中でセクハラナースと呼んでいたこと、ごめんなさい。
『さて、売りに行きますか!』
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『これぞまさに一攫千金!!』
手に持った重い袋、その中には金貨と紙幣の束がこれでもか!と言うほど入っている。
交換所のおじさん、見る目あるねぇ!!だいたい10万ベリーってとこか。
(作者の脳内では円をそのままベリーに変換してます)
『まずはやっぱり服!こんなボロボロなカッコじゃ変な目で見られるし。そんで次はご飯だね、お腹空いた。でそしたら~...』
ひとつずつ指を降りこの後することを考え、服屋を探しながら街の中を歩いた。
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