第2章 .金木犀と沈丁花
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目を開けるとは砂の上で寝ていた。
目の前には真青な大海原が広がっていて、眩い太陽の光を反射し輝いていた。
ちょっと待て、
この状態にデジャブ感満載だと思うのは私だけ?!
『とりあえず、生きてて良かった...』
敵船の船長との交戦の末、海に落とされてしまったは海の藻屑と化すことなく運良く見知らぬ島に漂着した。
戦闘の際にやられたところは多く、身体のいたるところに傷が見える。でも毒はもう抜けたようで痺れは全く感じない。ペタペタと身体を触ってみても特に異常は見つからない。
いや回復力恐ろしすぎない?
身体を触りながら服のボロさ加減にも気がついた。服は乾いてる、この島に流れ着いてから結構時間が経っていることが目に見えて分かる。
と言うかあの敵船長やってくれたわ...
海に落とすとか一言くらい言ってよ!
そしたら無理矢理にでも一発殴ったのに!!
『服もボロボロ、髪はきしんでる......
でも今すべき事はひとつよね』
だるい身体を持ち上げ立ちあがり服に着いた砂を叩き落とした。ここの気温はそこまで暑くも寒くもなくて丁度いい、けど木々が生い茂る様子からまた田舎臭いところに来た。
『さて、人でも探しに行きますか!』
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