第1章 .万華鏡
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右から来るサーベルを避け、左から来る弾丸を躱す。
のような女の体で出来ることは少ない、狼の姿になれど体が巨体でもなければ力量が半端ない訳でもない。ただそれは男が動物系の力を持っていた場合と比べてだ。
もしこの実の力を所有していたのが男となれば、以上の力を得ることができていただろう。でもこのイヌイヌの実の力はだけのもの、だからこそ彼女にしかできないことがある。
『_刹那の鉤爪‹セツナノカギヅメ›_』
駆けずり回り敵に爪を立てていく、もちろんその爪は武装色の覇気を纏っていて普段の爪より頑丈だ。
敵「うがぁッ.....」
敵「ってめ!」
この技はいつも以上に深い傷を負わせることが出来る。
『_てめェらに負けたとなっちゃァ動物系の能力は意味をなさない。それに親父に喧嘩をうったんだ、子供が黙っていられると思うか?_』
は後足に重心をかけ、二足歩行へと姿を変えた。これを試すのは初めてだったが、鬱憤を晴らすにはちょうど良かった。
腰に指していた短刀を右手右の前足で掴んだ。
『_このスピードに着いてこられるかな......
驟雨乱撃‹シュウウランゲキ›_』
全ての力を脚力に変え斬りまくる。仲間に危害が及ばない程度に敵船の甲板内を駆け回った。
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