第1章 .万華鏡
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脱衣場にはこれまた誰もおらずスムーズに着替えることが出来た。
食堂に行って飲み物を貰うとサッチに「えっ!もう出てきちゃったの?!」と言われた。
しょぼくれていたからドンマイとだけ言っておいたけどあんなに落ち込む必要あるのかな?
そして今は自室にいる。
『は~いいお湯だった。さて、日記日記....』
この世界に来てから書き続けている日記。読み直したりすることもあって思い出を振り返ることも出来る。だから、最近気がついた。
『なーんか書いてあることと違うんだよなぁ...私の好物ってオムライスだったっけ?』
人攫いに攫われた時のことが書かれているページ、その辺をよく読むとマルコと出会う前に一度元の世界に戻った夢を見ていたことがあった。
その時の様子が書かれたページには"大好物のオムライスを夕食に食べた。"と書かれている。
『私の好物、カレーなんだけど.....卵アレルギーだからオムライスなんて食べないはず...』
もしかしたらあの頃は色んなことがあって情緒不安定だったのかもしれない。それに好物なんて成長するにあたって変化していくものだ。
ただ引っかかるのはアレルギー持ちなのに好物だったこと。
『.....よく分からないや』
今日のことを日記に書き留め、ランタンについた火を消しては寝床についた。
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