第1章 .万華鏡
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夕食が終わってから自室に戻ってクローゼットから下着と寝間着を取り出した。
クローゼットの中は白や黒、濃い青などの地味な色合いばかり。その中に隠すようにかけられた二着の服、2年前に来ていた学生服とララさんに貰った長春色のマキシワンピース。
『着ることなくなっちゃったなぁ』
今の自分が大人っぽい色を好むせいか可愛らしい長春色の服など好んで着ることは無いし、ましてや学生服など成人した自分が来たらただのコスプレになること間違いなしだ。
でもこの二着は捨てられず今も自分の手元にある、思い出の詰まった宝物に成り代わったから。
今日のお風呂はみんなの濡れ髪を見たいがために男風呂を使うことになったからナースたちにその事を伝えなくてはならない。
___コンコン
『でーす、リゼさんいる?』
ミカ「おぉか、リゼ長なら奥にいる。だがカナも一緒にいると思うから気をつけろよ」
『え、まじで?カナさんもいるの?』
お忘れだろうか、カナさんといえば見た目は美容に敏感そうなお姉さんであるが、その正体はに会えばまずセクハラという変態なお姉さんなのだ。
ミカ「ああ、私は今仕事から手を離せないから手助けは無理だ。だからセクハラされても自分で何とかしろよ」
一番頼りになるミカさんが手を離せないとなればいつも以上に警戒していなければならないのは事実、不安しかない。
『まぁ行ってくるよ……後さ今日男風呂の方行くから。んじゃ逝ってくる!!』
ミカ「死ぬんじゃないよ、隊長たちと仲良く入ってきな」
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