第1章 .万華鏡
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髪型自体も気になるのだが、は更にその先とも言えるセットなしが一番気になっていた。
例えばお風呂上がりの濡れた髪の毛。
はナースのお風呂を使っているためナース以外の人の風呂上がりはなかなか見ることが無い。
エースみたいに髪が濡れたまま出てくるやつもいるが大概はしっかり乾かして出て来る。
『気になるなぁ~』
イゾウ「そんなに気になるかい?」
『うわぁっ!ちょっと脅かさないでよ!』
後ろから声をかけてきたイゾウにプンスカと怒る
イゾウ「ククッ悪かったって、怒るな怒るな」
ラクヨウと話していたはずなのに気づいたら周りに隊長たちが過半数集まっていた。
『え、なんでこんな集まってるの?みんな暇なの?仕事はどうしたのよ』
マルコ「はぁ.....もうすぐ昼だよい」
呆れたと言わんばかりのマルコの言葉にラクヨウと話し込んでいたうちに時刻はお昼時になっていたようだ。
確かに途中からメソメソ泣いていたサッチの姿が見えないと思ったけど、昼食の支度をしに厨房へ戻ったのね。
ラクヨウ「ただの髪型だけにそんな悩むことか?俺ァ聞き飽きちまったぜ」
ブレンハイム「よく長時間聞いてたなラクヨウ!!」
ラクヨウ「ンだってよぉ聞かなかったらあとが怖ぇって」
イゾウ「ま、そんなに気になるってのなら一緒に風呂でも入るかい?」
ククっと笑うイゾウ。
きっと他の隊長はが怒って赤面でもすると思っていたのか誰もイゾウの言葉を本気と捉えておらず、ただその様子を見守っているだけだった。
現実は違った。
『...確かにその手があったわ、じゃあ今夜そっちのお風呂に行くね!』
『これで悩みが解決できる!!』そう言ってはひとり食堂に向かった。
ラクヨウ「おい、アイツ今なんつった...」
ブレンハイム「今夜そっちの風呂に行くって言ったな」
マルコ「......やってくれたねいイゾウ」
イゾウ「いいじゃねぇか、悩んでるだけじゃ解決にならないからな」
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