第5章 はなびら
「最近は織田作さんが学を教えてますが、頑張れてますか?」
「うん」
「銀ちゃんも最初の頃よりだいぶ学も体力も上がりましたよ」
「うん」
「また··外行きたいね」
「うん···えっ」
するっ
「ある日見つけたお店で買ったんです」
「これは?」
「芥川くん咳がまだ出ますし手で押さえますからね。ヒマワリの絵柄が付いたハンカチにしてみました」
「ヒマワリ··天音みたいだ」
くすっ
「ありがとう。芥川くん···ヒマワリの花言葉"あなたは素晴らしい"」
「えっ」
「貴方が太宰さんに認められるように頑張ってるのは分かりますが、あまりにも無茶するような戦いなどすると太宰さんは見てくれません」
「だけど、僕には分からない··太宰さんに拾われた時から···」
「芥川くんは芥川くんのペースでいいのよ。あの人は···光が見えないから」
その時の天音は悲しそうに微笑んだ。