第3章 はじめてのかいわ
ーーーーーー·····
「お前、ひとりか?····他の奴らは大丈夫だ、俺と行こう」
「·····(優しい声)」
だけど何かが違う
僕が、欲しい何かが····
ーーーー·····
ーーハッ
「!」
昔を思い出して、分かった
僕が欲しかったのは
ぎゅう
「あったかい··」
「あっちょっと苦しかった?」
ふるふる
「僕···母を知らぬから今こうしてるだけで充分」
「芥川くんは小さい時に中也さんと出会ったって聞いたけど···お母さんを知らないんだね··芥川くん私は太宰さんのお嫁さんだけど···人間の友達が欲しかったんだ」
····きゅ
「うん」
「今だけ···許して」
「···?(あっ)」
その時見た天音の顔は
泣いていた