第6章 屋上で
「…そうだ、今の光政にはやることがある。だから……」
「すげーな、この弁当!」
輝の話を聞きながらオレは弁当を開けて中を見た。
中には、色とりどりな物が入っていて、まるで幼稚園児の弁当みたいだった。
オレは、箸で一番目に付いた物を取った。
「これってタコだよな?」
「………だろうな」
「オレさ、すげー気に入った!」
「タコがか?」
「タコもだけどよ、鈴音がさ!」
そう言いながらオレは、弁当を食べ始めた。
朝飯抜いたかいがあるってもんだ。母ちゃんにはこっぴどく怒られたけどよ…。
隣にいた輝は、溜め息混じりにオレを見ていた。