第6章 屋上で
勢い良く開くドアをオレと輝は、振り向いた。
「ごめんなさい、遅くなって……」
ドアを開けるなりに謝り出す鈴音。隣に居た輝は、オレを見た。
「遅くねーよ。今着た所だから」
「そっか、なら良かった!光政君の隣にいるのは、小野君でしょ?」
「…あぁ」
おいおい、まさか……
「やっぱり!名簿見て調べだの!君のことっ!」
「…はぁ?」
「早く、皆のこと覚えたくて!」
やっぱりこのオチかよ。
いまいち、理解できない輝は、オレを見てきた。
「昨日、ここでコイツ助けた」
「そうなの!昨日ここで、光政君に助けてもらって…はいっ!これお礼のお弁当。美味しいかはわからないけど…」
そう言いながらオレに弁当を手渡した。それと同時に予鈴の鐘がなった。
「ごめん、急がなきゃ!もしよかったら小野君も食べてね!」
まるで小動物みてえーにちょこまか動いて居なくなった。
「光政…お前「さてと、弁当食って行くぞ!オレにはやることがあるだろ」
オレは、輝の言葉を遮り言った…。
輝が言いたいことは、直ぐにわかった。
今のオレにはやることが、ある……。