第2章 「こんな僕を受け止めてくれますか?」
ザァァァァ――。
雨の日の任務だったようだ。
宗次郎さんはずぶ濡れで帰ってきた。
「お帰りなさい、宗次郎さん」
「・・・・・・」
宗次郎さんの元気が無い。
「どうしたの・・・・・・ですか・・・・・・?」
手ぬぐいを差し出したらいきなり手首を掴まれた。
――っ・・・・・・
宗次郎さんは真っ直ぐ私を見つめる。
「僕の仕事は生きた人を殺す事です。今もこの体には昨日まで生きていた人の血がついています。僕は今日も人を殺めました」
宗次郎さんの眼差しは尚も強い。
宗次郎さんが服を脱ぎ始めた!!
「えっ・・・・・・!!」
「時音さんはこんな僕を受け止めてくれますか?」
宗次郎・・・・・・さん・・・・・・。
宗次郎さんが私に近寄り、私の腕を掴む。
雨の雫が私の顔に落ちる。
「はい。受け止めます・・・・・・」
どんな宗次郎さんでも受け止められる。受け入れられる。
宗次郎さんは大切な・・・・・・大好きな人だから。
宗次郎さんは哀しく笑うと目を閉じた。
そして私に接吻した。
私は宗次郎さんの濡れた血の匂いのする肩に腕を回し宗次郎さんからの口付けを受け止めていた――。
雨の音と、宗次郎さんの息づかい・・・・・・。
一層宗次郎さんへの想いが強くなった――。