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所詮この世は弱肉強食【短編集】

第1章 ちゃっかり宗次郎さん


「いいものってこれだったんですね!」
私は宗次郎さんから団子を受け取った。
そして宗次郎に笑顔を向けた。


「いいものとは・・・・・・」
えっ・・・・・・。
宗次郎さんが私に顔を寄せる。


そして私の頬に柔らかく唇を掠める。


――!!


「これですよ」
宗次郎さんがいたずらっぽく笑った。


「満たしてさしあげますと言ったでしょう?」


「そ・・・・・・宗次郎さん・・・・・・!!」
私は意識が飛んでその場に倒れちゃったらしい。


「ああああああああああ!!!ちょっと!!!せっかくの団子が!!!泥まみれ!!!」
鎌足さんの声がしました。


あぁ、幸せです。


宗次郎さんがクスクス笑っていました。


いたずらな宗次郎さんに私は為すすべがありませんが、これからも宗次郎さんにいたずらされたいと――不覚にもそう思ってしまった一日でした。

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