第2章 胡蝶蘭~すべてのはじまり~
部屋には六花ただ1人残された。
そこに女中のひとりが訪れた。
「失礼致します」
「??」
六花にははてなマークがいくつも浮かんでいた。
その様子に女中はくすりと笑い、答えた。
「お初にお目にかかります、楓乃と申します。六花様のお世話役を御館様から承りました。以後よろしくお願いします」
「......世話役...?」
「はい。お怪我が辛いとは思いますのでなんでもお申し付けくださいませ」
「え...?あ、はい...」
六花は今の状況がいまいち把握出来なかった。
突然世話役と言われ、ちんぷんかんぷんだ。
「...あの、ここは...」
「こちらは今日から六花様のお部屋でございます」
「あ、そうですか......あの、えと、水、ありますか...?」
「すぐにお持ち致します」
女中は素早く立ち去っていた。