第7章 阿吽の錦
悠大に言われた言葉が根強く残る
(独特?自分なりでもないのに?)
「紫娜はよくあの堅物と真っ向から勝負できるよな...」
「悠大さんは優しいけど表に出なさすぎて怖い...
とりあえず叔父上の所に行ってくるね」
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「失礼します」
ここの屋敷の中で1番広い部屋に入る
生憎 生けている花や襖絵などの趣が分からない紫娜には広いという印象しか残らなかった
「先日東についてを聞いたが...
もし紫娜さえ良ければ一つに統一しようと思う」
千年続いた錦がひとつになる
大して実感がわかないものだ
「...私は構いません
錦の思うがままに身を任せます」
錦に振り回されて疲れてしまった
次自分が駄目になったときに重荷は全ておろしておきたい
「あと叔父上、二つ話したいことがあります」
自身のヒゲをなぞる紫悠は本当に父の紫羅義のようだ
「一つはある少女の話です
椿という娘を私が形上引き取っています
十分に鬼殺隊に入れる覚悟を持っていると判断致しました。叔父上の許可があれば夜の呼吸を継がせたいと存じております」