第7章 阿吽の錦
「鉄壁?」
「鉄壁というかなんつーか...
あ、あれだよ あー
もういいだろ俺の好きなやつなんて!」
動揺を隠しきれない紫璃
空まだ明るい
銀の髪が太陽に反射する
池には蓮が咲き鯉がゆっくり泳いでいる
集落と違うところは日の当たりが強いこと
未だに襖を開けた時に入る光の量に紫娜は慣れていなかった
「紫璃はいい人だからきっといい人なんだろうね」
微笑む顔に裏がないことを紫璃は知っている
だからこそ悔しく感じるのは言うまでもなかった
「私ね、この一年で五人友達できたんだよ
待って一人は違うや。けど三人は同じ鬼殺隊で
もう一人はここの使用人のシグ!」
「お前俺の前だとすげぇよく喋るよな
兄さんとか父上の前だとお行儀よく喋んねぇくせに...んで違った一人ってのは?」
「私の継子」
沈黙が流れる
あんぐりとした紫璃の口はしばらく動かなかった
「お前生意気だと怒られんぞ?」
やっと整理できた