第5章 炎と柱と
「風呂に入って来たらどうだろうか?
気持ちも落ち着くだろう」
借りる訳には...
熱い眼差しがかえって怖い
「では...お言葉に甘えさせていただきます」
__________________
椿はお風呂が初めてのようだった
熱い湯に石鹸に一つ一つに歓声をあげている
椿の体を洗っていると親から虐待された痕が色濃く残っていた
「前まではどうしていたの?」
楽しそうに泡で遊んで夢中になっている
「よく覚えてないけど、川にいたよぉ
ねぇ!見てー!椿と一緒!」
椿が指したそこは私のお腹だった
ズキズキ痛むわけだ
広範囲で青黒くなっている
煉獄様が蹴ったって言ってたやつか
「椿 湯船入るならじっとしてて!」
「もう出る〜」
自由なんだから!
「じゃあ紫娜さんはもう少し入ってるからね」
私も初めてこんな広いお風呂で少しはしゃいでいる
脱衣所からはーいという声が聞こえないような聞こえるような...
あの歌なんだっけ
...ダメだ思い出せない