第5章 炎と柱と
距離をとっているように思えるがさっきと様子が変わった
俺が年下の少女に押されているとは
情けない
しかしおかしい
夜の呼吸とはあれほど浅いのか
木刀が震えているが先程よりも鋭くなってきた
視界が グラッ と揺らぎ
気づいたら錦少女に押し倒されていた
右手は木刀で首に向けていて左手は俺の首を掴んでいる しかし全く力を感じない
そしてとても冷たい
面からは涙がこぼれている
「紫遊佐...ごめんね」
しかし油断している暇がない
右手は今にも刺してきそうだ
「すまない錦少女!!」
足で腹を蹴り
自分の体を起こしたあと
首の付け根に一撃を入れる