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上手に笑えるようになりました【鬼滅の刃】

第5章 炎と柱と


木刀のためいつもの感覚が鈍る
最初は技を流すだけ
癖を見つけていく



左足左からの攻めから突いて距離を置いてから右からという陽動に右足...

大したことがない





ずっと受け流して相手の力が尽きるのを待とうとも思ったけど柱はそんな甘くない
癖も見つからないし



余裕そうな顔つきだったのが
一変して本気になったのがわかった

じゃあ私も本気にならなきゃ





呼吸を使う
血が巡る
筋肉に
耳に
足に
手に
記憶に



目を閉じると目の前には竹林が広がって
父上の声と兄さんが呼吸する音
私が呼吸する音
紫遊佐が...いる

「姉さんのせいでみんな死んだ」

「姉さんがみんなを殺した」

あれ、こんなに面って視界が狭かったっけ
髪がいつもより重い
今何してるんだっけ
今なんで木刀握ってるの
今なんでここにいるの
今どうして戦っているのが紫遊佐じゃないの
寒い


違う
ここはあそこじゃない
血に浸ったあの場所じゃない
火をつけたんだ
大丈夫
大丈夫
違う


「...錦少女!」




大丈夫
ここは
大丈夫
平気

紫遊佐は居ない


私の手で

みんな





ダメだ
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