第4章 蝶と柱
起きたらまだ日は昇っていなかった
昨日は帰ってきてからすぐ寝てしまった
数年間分の涙を流したあとの今日の朝は
とてつもなく気分が悪く頭が痛い
ベットに座った
本当にあのまま寝ちゃったんだ
袴姿のまま寝ていたためしわくちゃになっている
ぼーっとする
「ねぇ、兄さんのことどう思ってた?」
隣に座る紫遊佐
「兄さんは僕を父上のように負け犬として見ていたのでどちらかというと恐れていました」
「今日は何も言ってこないのね もうすぐ日が昇りますよ」
馬鹿だなぁ姉さんは、そう言って笑う
___幻覚だってわかっているんでしょ?
閉じた瞼を開いた時には
もうその姿はなかった