第4章 蝶と柱
「私は...11歳の頃から...誰もいなくて...
それは私が殺した人達なんです
みんな優しかったんですよ...本当に!
なのに私は殺したんです
炭治郎さんみたいに鬼を...人間に戻そうとも考えないで...私は...早く死にたい...!」
しゃくり上げるような泣き方は忘れていたのに
こんなに簡単に泣けたんだ
胡蝶様はずっと背中に手をのせてくださっていた
あんなにゆっくり歩いていたのに
すでに蝶屋敷にはついていて
胡蝶様は「あなたにも休養が必要です」と言ってベットを貸してくださった
瞼を閉じると静かに眠りにつく
久しぶりに夢を見た 何年前だろう?
兄は12歳で最終選別に向かった
父上に見つからないように
兄さんに自分の髪の毛を切って束ねて渡した
兄さんは馬鹿者と言って怒ったし、
結局父上に見つかってしばらく食事が抜きだった
隙を見つけては母におにぎりを作って
蔵でこっそり食べた
その時紫遊佐はいたんだっけ...
兄と私は6つ離れていているから
紫遊佐は3歳の時か...
夢の中の私は血を知らない普通の子だった