第4章 蝶と柱
蝶屋敷に帰る途中胡蝶様と一緒に帰ることになった
「紫娜さんはとてもお強いのですね」
すごく穏やかな声だった
紫の瞳はとても大きくて引き込まれそう
私より少し小柄の彼女はどこか寂しげだった
まだ昼なのに天気は回復せず少し薄暗い
「私は鬼も殺しましたが人殺しでもあります」
「それはどういう意味かお尋ねしても?」
...なんていえばいいかな
「御館様が仰った一日で50人の鬼というのは私と一緒に住んでいた集落の人だったんです...」
その集落の人を最終選別に言っている間に紫遊佐が鬼に変えてしまった...
「...そうですか...
私は姉を鬼に殺されたんです」
胡蝶様の一言一言に悲しみも哀しみも感じる
そして痛みも
「姉は最後の頼みで普通に生きて欲しいと言ったんです」
姉がいたんだ
下を向いて歩く胡蝶様が泣いているように見える
目が離せない
本当に強そうで
優しそうで
凛々しくて
「炭治郎君を見ていて姉を思い出したんです
ずっと笑顔を絶やさない。私は姉のように振舞っても、口調をまねても姉にはなれないみたいです」
母上が泣いてる姿を見たことがある
誰にもいない部屋で1人で
紫娜には普通に生きて欲しかったって
私も...言われたんだった
「私は誰にも弱いところを見せないようにこの3年間生きてきました 11歳から...」
今まで何度も泣きそうになった
鬼から人を救えなかった時も
紫遊佐を殺せなかった時も
炭治郎さんの目を見た時も
母上が泣いている姿を見た時も
こらえてきたのに
目から溢れたのは紛れもない涙だった