第4章 蝶と柱
「御館様、我一族に1人鬼がいます」
一瞬でみんなの顔が変わった
「その鬼は私が殺した鬼の数より人を食べています
家族を殺し、今ものうのうと生きているあの悪鬼は
許せまじ我が一族の恥
恥ずかしながら私は弟であるその鬼を殺せなかった... 紫遊佐を 殺した暁には自分の腹を斬る所存でございます!」
まっすぐ御館様の目を見つめる
きっと届かない
けど御館様は安心する
なんでだろう
「なので私は御館様を柱として支えることができません」
最後の一言余計だったかな...
後ろから殺気を感じる...
「んだてめぇ!御館様のご好意を...」
御館様が静かに人差し指を口に近ずけた
「...そうか、紫娜には悪いことをしてしまったね 先に言えば良かったのだが
みんなもわざわざ呼び出してすまなかった
では、解散としよう」
まさかこんなにあっさり緊張がとけるとは...
「紫娜、この手紙を渡しておくよ」
それは父上と兄さんの遺書だった
「3年もの間、手紙を渡せずすまなっかったね
これからも父上の誇りを継いでいきなさい」
「御意」
御館様の最後の言葉には
別の意味が含まれている気がする
けどこれはもう自分で決めたことなのだ