第16章 うつみせの
まだ日の出まで時間がある
紫遊佐を助けて鬼舞辻も倒す
そんな理想が通らないことはわかっているけど
足掻いて見ようと思った
柱にも全然縁がなかったのに
足掻けたんだ
自分なりにだし、結局精神もボロボロになちゃったけど
紫遊佐が私の憎しみになるから
憎しみを糧に生きるようなことを言ったけど
あの紫遊佐だから
本当は名前のつけようがないくらいの
自分から遠い感情で
たまたま憎しみっていう言葉を
ちょうどよく感じただけなんじゃないかな
憎しみを糧に生きて欲しい?
あぁ 言いそうだ
紫遊佐優しいから
「僕はもう人に戻れない
姉さんは僕を殺す必要がある
殺さなきゃ姉さんが報われない」
「待って、紫遊佐...!」
報われない?何を言ってるの?
その時ちょうど間合いに入った紫遊佐の刀を
受けた時私の腕を掴んで自分自身を
紫遊佐は刺そうとした