第16章 うつみせの
「くっそ...紫娜が起きない...
この鬼もさっきから奥には行こうとしないで
何がしたいのかわからない」
紫娜が倒れてからもう数十分が経つ
障子を閉める余裕すらなく開けたままの状態だから
お館様のご様子も紫娜の様子もわかってしまう
「煉獄さん...これだいぶまずいですよ
ッチ...くっそ...この鬼の視覚で鬼舞辻に居場所がバレたら...」
「いや...愈史郎殿の目隠しを通れるということ、
先から奥へ行こうとしないことから
こちらとの戦意はないように思える
だが2人の相手をするに至ると
邪魔をしたいのか...
それとも...」
なにか引っかかる
銀髪の髪に時透のような顔立ち....
まさか...!
「おい!紫娜起きろ!
てめぇの弟殺されたくなきゃ
てめぇで守れ.....!!!」
紫娜...早く起きろ
負けんじゃねぇぞ...!