第15章 しのぶれど
表には煉獄さんのお父様がおられる
そして宇隨さんも
いつおいでになったかはわからなかった
今頃どうなっているのだろう
御館様方が額につけているのは
きっと愈史郎さんのものだ
忙しなく動く様子はまだ10代になっていないことを忘れさせる
想像が出来なかった
今起きていることを
何人が帰ってくるだろう
今日死ぬかもしれない人は
いままで戦い命を落とした方の一人となる
今日で区切りをつけられる
そう思って戦っているのだろうか
何も見えない未来にひたすら走ることが怖い
今日は誰かの命日になるのだ