第15章 しのぶれど
産屋敷から少し離れたところの館に
既に輝利哉様がおられた
...ひなき様とにちか様がおられない
そして遠くに爆弾音が聞こえる
始まった
まだこの日本国でも鬼の存在を知らない人は沢山いる
きっとこの戦いが
今後鬼の存在が忘れられるか、知らしめられるかを決定する戦いになる
本当は悔しさがあった
みんなが戦ってるそばで戦力として戦えないこと
自分のことを大切に思ってくれた人を守れないこと
一緒に鬼のいる世界を終わらせようと思えないこと
輝利哉様は落ち着いておられた
2人の御息女はサポートをしている
震えてる
でも悟られないように
必死に
私の父上も母上も寂しい人だった
きっとこの方たちにとっても
両親に対する思いは同じだったのかもしれない
耀哉様は厳しくお子らをお育てになられた
次の世代に繋ぐために
だからといって
どうして子が親の死を悲しまないでいられるだろう