第15章 しのぶれど
「不死川は...おはぎが好きなのか...」
おはぎ好きなのは意外だったけど
二人共わざと怒らせてるでしょ
「不死川はおはぎが好きなのか...」
わたしは自分の人差し指を口に押し当てて
今は黙ってろと
伝えたけど
あぁもうこの人もほおっておこうか
「美味しいですよね!おはぎ
こしあんですか?つぶあんですか?おれの...」
炭次郎さん...ばかなん?
あ、違うんだった
この人は全部優しさなんだ
しかも素で
さすがに...ちょっとってこともあるけど
「不死川さん!ちょっと待ってください」
案の定堪忍袋の緒が切れた彼は
富岡さんと炭次郎さんを置いて歩いていた
まぁ想定内でだれかさんは倒れたけど...
「不死川さん!待ってって______」
急に立ち止まった不死川さんに驚きつつ
止まってくれたことにちょっと喜んだのはつかぬま
急に視線が高くなって視界が少し暗くなったことに驚く
「てめェ なんで急に名字呼びなんだよ」
数歩離れた距離が一瞬のうちに近くなって
視界が暗くなった
右腕を掴まれ上に持ち上げられているような感じ
少し顔をあげただけで
は、鼻が当たりそうで
「それは玄弥さんもいるので...
.....いたィ...!」
捕まれていた右手が軽くなる
なにを考えているか読めない...
急に怒ったり近づいたり...
いや、怒っているのは常だけど
前からこんな感じだったっけ?
ていうよりなんで私
今頬が熱いんだろ