第14章 嚆矢
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「待て!!!」
まだ夜の盛
あれから人肉を食べていない
もちろん耐えられないで人を殺した
でも口にすることができない
「待てこの邪鬼!!」
待てと言われて待つ鬼がいるか
うざいなぁ
これだから鬼殺隊は
俺もわからなかった
わからなかったけど今ならわかる
「なぜ待たなくてはいけない」
「お前は人を殺した!何十人も!
それを許せる奴がいるかこの邪鬼が!!」
「では人は人を殺さないのか」
「なに?」
鬼になって何日がたって何ヶ月が過ぎたのか分からない
でもわかったこと
鬼にならないと分からないこと
一つ
「人は生きるために 言うなれば自分のために
人を欺き動物も殺し人を遊ぶ
我々が生きるために人を殺して何が悪い!」
───所詮人も鬼も何も変わらない
人は気づいてる
本当はみんな鬼なんだって
「...っ...
何が生きるため!
絆を弄び愚弄する鬼と一緒にするな!
心のない鬼が!」
二つ
───鬼にも心があるということ
血しぶきが飛んで服に染み付いた
前の僕なら怖がったのかもしれない
ただ今は汚いと思うのと同時に
また言い訳のできないような感情が
染みてくるんだ