第3章 那田蜘蛛山
「もう大丈夫だよ」
なかなか泣き止んでくれない
思ったより幼いみたい
「名前教えてくれる?」
「...舞」
なんて小さい手なんだろう
自然と紫遊佐のことを考えてしまう自分に腹が立つ
「歩ける?」
まだ震えているみたい...
あ、待って このお面のせいじゃん
「背中に乗ってくれるかな?」
面を外して言ってみたら大人しく背中に乗ってくれた
「背中にしっかり捕まっててね」
この山に安全なところは無さそうだ
でも、この子に鬼が人を食べるような姿は見させたくない
「舞ちゃん!目瞑ってて!」
何人もいる鬼を斬る度に背中にある温かさを感じた
この子だけは守りたい