第13章 咲いた花 あとは散るだけ
泣き止んだアオイさんは
少し落ち着いたあと
握っていた手を静かに離して
自分の中で決着がついたのか
一つ礼をすると
いつものようにあわだたしく廊下を走っていった
私も少しもらい泣きしてて
目頭は少し濡れている
本当はさっきかける言葉 間違えたかもしれない
«でも自分の中に嫌いじゃない自分もいるはずだから...アオイさん自身を好きでいる自分のことまで嫌わないで下さい»
知っているような口きいてたくせに
話しているうちに自分の首を絞めていただけだった
でもよかった
アオイさんもしのぶさんのこと聞いたのかな
私だけが怖いわけじゃない
みんな怖い
大丈夫
怖さを認めると覚悟ができる
覚悟が決まると勇気がでる
勇気があれば怖いものはないのかもしれない
アオイさん
忘れて行ってしまったけど
頬殴られたんだけどなぁ
自分から仕向けたようなものだからなんともいえないけど
「紫娜か?」
そういえば今日ここに来たのって
しのぶさんに話しかけられたからだけど
そうだった
この人と会うのが気まずかったんだ
「こんにちは...」
目を背けながらちょっと目線をやると
炭治郎さんは気まづいのを今の今まで忘れていて
私の様子を見て思い出した
そんな感じ