第13章 咲いた花 あとは散るだけ
「私は家族を鬼に殺されて
しのぶ様がめんどうをみてくださって
私は臆病で鬼を斬ることは出来ませんが
ずっと手伝いをしてきました」
薬を探そうとしていた手を止めた
ズラっと並ぶ瓶や薬が入っているであろう箱
改めて見ると迫力がある
アオイさんはカナヲさんと同じぐらいに見えるけど
実はカナヲさんより上らしい
だからこそしのぶ様とは長い間柄なのはよくわかる
「初めて...しのぶ様から怒りが消えたようで
驚いてしまって...」
やっぱり
気づいてたんだ
「どうやって...いや、どうしてしのぶ様から怒りが消えたのか...」
アオイさんはどちらかと言うと器用ではないみたい
正義感が強くて律儀で
どこかしのぶ様の雰囲気を感じる
きっとこれは
私に聞きたいことじゃない
「アオイさんは何に怒りを感じているのですか?」
「え...?」
「もし気に触ったのなら謝ります!
でも...アオイさんがテキパキと仕事をするのは
なにかを忘れたいかのように見えます」
アオイさんの目が泳いでる
別に追い詰めたいわけじゃない
だけど
「もしかしてですが
自分に怒ってらっしゃるのですか?」