第13章 咲いた花 あとは散るだけ
「良かったですね 腕と背中の皮膚が壊死していなくて まぁ壊死していても私は知りませんが」
お、恐ろしい...
やっぱり怒ってるし
さっきアオイさんと会っても明らかに目そらされたし
「しのぶさん...どうしても鬼を倒すためにしのぶさんが犠牲にならなくてはいけないんですか...
いや、もちろん今までたくさんの人が犠牲になってきました けど...」
言葉が続かない
怖い
誰かを失う
鬼殺隊に入った時に立たされる舞台
きっと私はその舞台で
上手く演じられない役者なんだ
「私でその犠牲の連載を絶つことができるんです」
「しのぶさんが私に生きることを教えてくれたのに
...」
寂しいなんて言わせない
言っちゃいけない
私が逆の立場だったら
誰も私を止めることが出来ない
「しのぶさん...
実は私の腕をとったのはその鬼なんです」
治療していたしのぶさんの腕が止まる
しのぶさんのことだから
しのぶさんが優しいから
こんなこと言ったらただ決心を固くするだけ
私が最初から言うべき言葉は違う
「しのぶさん...いえ、蟲柱様
お願いですからできる限り
生きることを諦めないで戦って下さい」
私に言う権利とか関係ないんだよね
そうだよ
綺麗事でも
心に残ればいい