第13章 咲いた花 あとは散るだけ
部屋には縄でぐるぐる巻きにされた
隊士たちが壁に...貼ってあるのかな?
「お前はここにあう障害物を避けながら太刀を奮ってもらう」
し、障害物...
みんなここで足止めくらってるのか
いやぁこわい
本当にこわい
「いくら甘露寺に気に入られていたとしても
俺は決して手を抜かないからな」
「の、望むところです!」
あんまり大きな声で言えないのは
私の気が小さいせいだ
障害物の存在には慣れた
伊黒様の太刀が蛇のようにうねる
確か蜜璃さんの刀も柔らかくしなっていた
同じ木刀とは思えないほど
障害物を避けながらとはいうけど
刀が人に当たれば避けられてるとは言えない
「甘い!」
_____ザッ
ギリギリで避けられた
だけど木刀なのに髪の毛が少し切られてる
だんだん刀がしなっていく方向が掴めてきたけど
それでも伊黒様に私の刀が届かない
どうしようか
刀のうねりは真似できない
でも刀の鋭さは磨ける
だんだんわかってきた
片腕を無くしてから
無理やり持ち方を変えたから
不自然な体の乗りこなしになっていたんだ
両手が使えない分威力が減った
それなら威力をあげればいい
両手の時よりも自由に振ることができるんだから
やっと自分に合った太刀の振り方がわかった気がする