第13章 咲いた花 あとは散るだけ
「皆さんの階級はどこなんですか?」
気のせいかな
さっきはすごいフレンドリーだったのに
様呼びはやめてくださいって言っても聞いてきれないし
なんか...距離がある
「俺らは戊です ここまで六年かかったのにまだまだこれからです 才能がないとか色々言われるんですけどね」
「俺は四年ですがね こいつは育手がいない中
自分でやってたんですよ すごいやつなんです」
育手がいない...?なのに六年で戊?
やめろよとか言いながら肘で小突きあってる
育手に頼らないでも鬼を倒そうっていう覚悟があったんだ
その覚悟を六年間もかかえてきたんだ
「呼吸はなんの...?」
「我流なんですが木の呼吸を使ってます
自分の実家は元は林業だった影響ですかね」
「私...ずっと自分の境遇とかを疎んでいたんですが自分が恥ずかしいです
柱稽古頑張りますね
教える側として...」
話てくれた二人が顔を見合わせる
でもすぐ笑顔になって
私もちゃんと覚悟を決めなきゃ
柱稽古も頑張ろう
二人みたいに悩んで前向いて
足掻いてきた人が集まっている
だからこそ答えられるように
「そういえば錦様は隊服を羽織として使ってるんですね」
隊服?