第12章 癒えない傷
「柱じゃない...?」
「俺は守るべき時にいつも守られていた
俺に柱を名乗る資格はない」
それは守れなかったから柱を名乗れないということ?
でもそれは...
「冨岡さん...
なんて言うのが正しいかわからないですけど
上弦の弐と戦ったとき私は冨岡さんに守られましたよ?」
目を見開いている冨岡さん
もし守れなかった記憶があって柱を名乗りたくないのならば...
「冨岡さんにとっての守りたい人の序列に
私はいないだろうけど、私の腕が一本無くなっただけで済んだのは冨岡さんのおかげです」
きっと誰よりも守りたかった人なんでしょう?
あるよ
私だって家族を誰一人守れなくて
この前も...
私が守れなかった記憶と冨岡さんが誰かを守れなかった記憶はきっと大きさで比べられるものじゃないけど
「冨岡さんのおかげで今を生きれるんです」
守りたかった
守れなかった
守ってくれた
次は守りたい
「私を守ってくださってありがとうございました」
なんともいえないような顔をしてる
そんなに簡単にいかないのはよく知っている
炭治郎さんなら違ったのかな...