第12章 癒えない傷
まぁでも少しだけ
素顔が見れた気がする
それだけは進歩かな
「俺に助ける序列なんてない...
俺は...人を守るのが仕事だ...」
あれ なんだろう
嘘がない
本当のことを話してくれてる
届いたんだ
私みたいな人の言葉でも
よかった
単純に冨岡さんを嫌う理由はなくなって嬉しい
「柱についてどう思われているのかは聞きませんが
柱という肩書きがなくてもあっても
冨岡さんは私にとって恩人です」
さっきまでは嫌いになりそうだったことは置いといて
「まぁ他の柱の方に嫌われていたとしても
私は冨岡さんのことを嫌いじゃないですよ!」
「俺はきら「あ!そうだ 木の本数数えるの手伝ってください!」」
冨岡さんに木の数え方を教えて(強制的に)手伝ってくださることになった
なんだかんだいって優しんだ
よかった仮面つけてて
笑ってるのがばれない
笑ってるの?
私が?
駄目だ集中力切れる!
今は目隠しつけてないからせめてと思って目を瞑ってるのに怪我する!
あれ?
掌が暖かい
目を開けると右掌に
赤い血が滲んでいる
折れた木で怪我した...のか
今日はやけに感覚が鈍ってる
上手く人の気配も掴めないし
ドクドク流れる血も
あんまり痛くなかった
椿...
いるなら
生きているなら
もう一度
私の名前を呼んでよ