第12章 癒えない傷
「柱になったんだな」
「まだ力不足ですけどね」
話が続かない
でも前よりきごちなさは減ったはず
「冨岡さんは
どうして柱稽古に参加されないのですか?」
「...」
しばらく沈黙が続く
聞いていたのかと不思議に思うけど
なにか深い事情がありそうだから
詳しくは聞かないでおこう
それよりも聞きたかったこと
「冨岡さんは前の前で開かれた柱合会議で
なぜ禰豆子ちゃんに命をかけられたんですか」
あの時びっくりしたんだ
同じ水柱の縁だったとしても
滅するに値する鬼を
自分の命をかけることなんて
「あの兄妹には託せると思ったからだ」
いつも通りの言葉足らずを
埋め合わすには私が想像して考えなきゃいけない
他の柱の方たちとも
少し距離を置いてらっしゃるし
柱稽古にも不参加
柱に嫌な想いがあるのだと思う
託すっていうのは
水柱のこと?
でも炭治郎さんは今ヒノカミ神楽を使っている
きっと炭治郎さんは冨岡さんにとっても
なにか期待できる節があるんだろうな
私は無理
炭治郎さんみたいに期待を寄せられるような
芯がしっかりした人じゃないし
期待に答えられるような人じゃない
よかった
本当に孤立無援ということはないんだ
「冨岡さんは炭治郎さんに
すごく信頼を置いてるんですね」
「...その面は狐か?」
「狼です(狐だと...💢)」
「さっきの鬼はお前と縁があるのか」
なんかさっきから話があっちこっち行ってる