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上手に笑えるようになりました【鬼滅の刃】

第12章 癒えない傷


悲しかったんだと思う
そうじゃないと涙は出てこないし
悲しかったんだ
生まれてから8年で大人になって
子供でいることを許されなかったこと


昔の私を見ているような感覚
そこに涙が出てきたことに驚いた

輝利哉様は知ってる
私が泣いている理由を
でもいくら私がこんなことを願ったって
幸せを願ったって
きっと笑ってくれない

あともう少しで崩せる
鬼を倒してこそ鬼殺隊

最終章に入るんだ


「約束する 今は無理かもしれないけど
その時がきたら代わりに笑うよ」


冷たくて痛い


涙を拭く
これ以上困らせたら駄目だ


おかしな話
私が泣くからと言って
次期当主たちの辛さがわかるはずもないのに
わかった気になるのは許されないよね


「柱稽古は順調かい?」


「まだ私の所にこられた方はいませんが
どの隊士も精進している姿を見ることができよかったと思っています」



「良かった 紫娜はきっと大丈夫だよ
私は紫娜がいつか笑える日が来ることを願っているよ」




輝利哉様の返しに驚いた
違う
表情に驚いた
これが嘘でもいい

五人とも

笑っていた

子供みたいに

綺麗に笑ってくださった


私は馬鹿だ
随分知ったような口きいて

でも嬉しい

まだ心に子供のところがあるなら
少しだけ素顔を覗かせてくれた

そんな気がする
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