第12章 癒えない傷
前もそうだった
上弦の伍と戦ってる途中
何かが崩れる感じ
今日も崩れた
やばい
どうしよう
炭治郎さんに謝らなきゃ
でも戻りたくない
私今どんな顔してる?
どうしよう
こんなに苦しいのなら
心と向き合うんじゃなかった
______ドンッ
辛い
痛い
______ドンッ ドンッ
消えてしまえば...
______パシッ
「おい 紫娜 まだ治ってねぇんならそれ以上やめろ」
いつの間にか自分の胸をこれでもかというほど殴っていた
大きな手で右手を掴まれる
急に目の前に
派手な眼帯をつけた顔が目を覗き込む
「お前 笑ってんのか 泣いてんのか?」
振りほどこうとしても離れない
だけど消して強く握られているわけじゃない
「どうして宇隨さんがまだここにいるんですか」
「帰る途中でお前を見つけたんだよ
これからどこに行くんだ」
「...錦家のところに」
ふうんと相槌を打った宇隨さんは
何をしようとしているか分からない
もう嫌
誰とも今は話したくないのに
「手 離してください」
「嫌だ また叩くかもしれねぇだろ」
「もう叩きませんから...離して」
「行くんだろ?錦家まで
さっさと行くぞ」
なんで
場所を知ってるの