第12章 癒えない傷
久しぶりに兄ちゃんを見た
前よりも傷が増えてた
なぜか紫娜を運んでる
あいつ兄ちゃんと仲良いんだったらもっと話してればよかった
兄ちゃんの白い羽織があれは...紫娜の血で汚れていたのか?
紫娜には申し訳ないけどあの時
紫娜に目がいかなかった
ただ兄ちゃんに会えて謝らなくちゃ行けないって思って
必死だったけど
全く話せなかった
いつも通り
目も合わせて貰えなかった
「玄弥!柱の方達が出てったから紫娜の様子を見に行ってみよう」
「お、おう」
そうだあの時炭治郎は病院の人と話していたから
兄ちゃんと俺の会話を聞いてない
炭治郎が聞いてなくて
兄ちゃんと衝突しなくてよかった
炭治郎が紫娜に話しかける
なんも耳に入ってこない
何か聞きたい
兄ちゃんについて
「俺の兄貴...なんか言ってたか?」
「特には...でもお二人共似ていますね
優しいところとか...」
優しい?
俺が優しいわけが無い
兄ちゃんは優しくても
俺は...あんな酷いこと言ったのに
優しいはずが...ないんだ
「〜〜〜〜...
でもその前に一言、言わせてください」
「前の戦いの時、私の代わりに椿を探して下さり本当にありがとうございました」